男の覚悟はスーツから!!
という煽りの王様の仕立て屋~下町テーラー~8巻です。
収録は以下の7本。
- order43 六三四の剣
- order44 上代の三纈(さんけち)
- order45 梨の芯
- order46 神宮の銀杏
- order47 5五の龍
- order48 伯楽の眼力
- special order ナポリ日記(書き下ろし)
order44の「三纈」ってなんじゃい?と思ったら染物の技法だそうで。世の中知らないことが多すぎる・・・。六三四の剣と5五の龍は同名の漫画から、梨の芯は金子みすゞの詩が元ネタですね。
order43、六三四の剣っていうくらいだから剣道経験者の体型に合わせたスーツでも作るのかと思ったら違いました。胴長短足体型を如何にかっこよく見せるか、という話です。実は短足ネタは過去にもあり、その時のお客さんはバレエダンサーだったかな?今回は中年のおじさん(剣道の師範)です。
ユニクロなんかの広告を見てると、足が長いイケメンは何着ても似合うや!となりますが、残念ながら足の短い私はそれなりに努力しないと残念な見栄えになるわけで。「手持ちのカードで勝負するしかないのさ」と言うものの、手持ちのカードをかっこよく見せる技術や方法は知ってて損はない。外見は一番外側の内面とも言いますし、足を長く、スマートに見せるテクニックと言うのはありがたいものです。
さて、いつも通り安定した面白さだったわけですが、本巻の中でおススメするなら「order48 伯楽の眼力」です。
千里の馬は常にあれども伯楽は常にあらず。のことわざでおなじみの伯楽さん。もともとは馬の世話役ですが、名馬を見出し、育てることに秀でたことから転じて、名コーチや優れた教育者を名伯楽と言ったりしますが今回はライブハウスの店長さん。
アドバイスした後輩がブレイクする姿をみて祝福はすれど内心嫉妬し、しかし50過ぎてやってきた突然のチャンス、店長さんは何を考え、どう決断するのか!?
リスクとリターンの話は投資界隈ではしょっちゅう出されますが、今回の場合はリスクと自分の夢のせめぎ合いでした。今回の話をあきらめれば老後はそこそこ安定するが、世の中は、若者は、と愚痴る未来しかない。そうなってしまっては惨めだ。
普段、仕事が忙しい、お金がない等々、あれこれ理由をつけてやりたいことをやらない、ということがちょくちょくあるわけです。当然、やりたいこと全てやるなんて不可能なんですが、あれこれ諦めていると、自分が一番やりたかったはずのことまで諦めることがあったり、状況が変わってできなくなってしまうことがあります(サービスが終了したり)。先日後輩の訃報を聞いた時にも思いましたが、やりたいことをできるうちにやるってのは大事ですね。
今回の場合は夢をかなえるためには全資産売り払って費用を工面する必要があったわけで、そこまでしてかなえたい夢があるというのは、ある意味羨ましいとも思ったりします。
そんな感じで王様の仕立て屋~下町テーラー~8巻感想でした。針生親方の放浪の旅は続く!
7巻の感想はコチラから。
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