異世界転生、異世界転移ものが流行っております。なろう小説でも特に人気のジャンルです。そんなご時世に紹介するのがこれ。
「日帰りクエスト」著者:神坂一, イラスト:鈴木雅久
イラスト古臭くない?
と思ったそこのあなた。大正解です。なんせ初版発行は1993年。もう30年近く昔のラノベなのです。
何で今さらこんな古いのを・・・と思われるかもしれませんが、今読んでも面白い!むしろ今の異世界召喚物にまったく負けていない!と胸を張っておすすめできるからです。
日帰りクエストのここがすごい!
主人公がすごい!
本作主人公のエリはいわゆる普通の女子高生。異世界に召喚されたと気づくや否や、「これで通学ラッシュとも受験ともおさらば!超パワーとかに目覚めて王子みたいなイイ男と結ばれる!!!」とか言っちゃうくらいフツーに日本のゲームや漫画文化に慣れた女子高生です。
もう30年前くらいから異世界チートで無双して主人公モテモテとかやってたことがわかります。このジャンルは定期的に流行るんでしょう。
しかし、そんなテンプレ通りにいかないのが神坂一作品。エリは最初から最後まで遊び人Lv.1です。チート?ありません。しいて言うなら義務教育+αの現代知識くらいでしょうか。さらに
「異世界から助っ人呼ぶにしても、いきなりすごいの呼んで暴れられたら手を付けられないから当たり障りのないテキトーなのを召喚した」
と言われる始末。完全に一般人です。そんな主人公が持ち前の度胸と口八丁でどれだけ活躍できるのか?ぜひご確認ください。
ちなみにこの世界の召喚魔法、元の世界に帰れます。一方通行?そんなわけないじゃない。だから「日帰り」クエストなのです。
テンポがすごい!
第1巻はわずか200ページ程度です。薄い!しかし内容が薄いわけではありません。しっかり読みごたえがあるにもかかわらずちょっとした時間にサクッと読めます。忙しい現代人にぴったりですね!
冗談は置いておいて、文章の構成などは分かる人には分かるようで、こちらで解説されています。
技術的な話はさておき、とにかくテンポよく短い時間で読むことができ、しかもがっつり面白い。ぜひ読んでみてください。
とにかくおもしろい!
なんやかんや書いてきましたがとにかく面白いのです。
主人公も魅力的だしサブキャラも魅力的だし敵は敵でいい感じに狂ってthe敵!ってなるし、冒険あり、剣と魔法のバトルもあり、ギャグありシリアスあり、とにかく読んで!
あとがきもおもしろい!
ほとんどのライトノベルには「あとがき」がありますがこの日帰りクエストも当然あります。
あとがきといえば内容の解説だったり謝辞だったり作者近況だったりですが、本シリーズ2冊目、「困ったもんだの囚われ人」ではなぜか子猫の育て方が書いてあったりします。当時は自由だったのでしょう・・・。あとがきも楽しめますので是非最後まで読んでみてください。
というわけでご紹介した日帰りクエストシリーズ。とにかく面白いので是非読んでほしいシリーズです。
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